看護学校経営・10
施設・設備の活用と看護学校
永岡 順
1
1東京教育大学
pp.671-676
発行日 1973年10月25日
Published Date 1973/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906717
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1.学校の施設・設備と学校経営
学校は,校地・校舎をはじめ,教育機関として必要な各種の物的条件を備えることによって,その教育活動を展開していくことができる.つまり学校は,教育の実際活動に必要な諸施設・設備を重要な要素として,はじめて学校として成立する.近代的な学校教育は,その教育的要求にあった学校施設・設備をもっていることが必須条件である.教育が新しい内容と方法をいっそう要求されるようになるにしたがって,それにふさわしい施設・設備がどうあったらよいのか,またそれはどのように活用されたらよいのかがあらためて重視されてきている.近代以前の学校での教育のように,簡単な机と椅子それに紙と筆があればよいといった時代の学校ならばともかく,今日の学校は,あらゆるレベルの教育機関で,教育内容や方法の進歩とともにそれを実質的に裏づけるものとして,教育的にくふうされ整備された施設・設備を不可欠のものとしている.とりわけ専門的な教育を施す学校教育機関にあっては,それに伴った適切な施設・設備を保有することと,その活用を考えることなしには成り立たなくなっている.
学校の施設・設備という場合,一般的にいうときは,その意味する範囲はかなり広い.可能なかぎり広く解釈すると,それは物的施設と人的施設とが考えられ,教職員の組織編成まで施設として含むものまである.
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