愛知県立看護短期大学における看護教育の現況
XI.全体総括・1
高橋 百合子
1
1愛知県立看護短期大学
pp.661-670
発行日 1973年10月25日
Published Date 1973/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906716
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
看護教育に携わってからおよそ30年になるが,看護教育を発展させるためにはいまだに試行錯誤を重ねている状況で,何一つ決定的な結論を見い出し得ない現況である.教育制度については,制度の違いと,設置主体を異にした本学を含めて3種類の学校で教育体験をした.それぞれの特色,教育目標についても,違いのあることは当然なことである.私自身3つの学校とも,教育については‘よちよち歩き’でただ単に年月のみを重ねたという一言にしかすぎない。幾つかの苦しい,にがい体験も重ねたが,反省させられることのみである.
非常に緊迫性の高い,多忙な医療現場のなかにあっても,常に研究的姿勢も持った職業人格の育成,実践を通して看護の本質を徹底して追究することが可能な人材を,数多く社会に送り出すことができなかったのか,心の痛む思いである.
Copyright © 1973, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.