教育月評
政治と教育について—1971年の教育界をふりかえり
伊ヶ崎 曉生
1
1国民教育研究所
pp.156-159
発行日 1972年3月25日
Published Date 1972/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906566
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政治と教育—教育基本法制定25周年
横井庄一さんの帰還を教育問題としてみても,そこには,戦前における政治と教育の問題が凝集しております.‘天皇は生ける神’としたような戦前の政治のあり方,現在からふりかえってみれば佐藤首相すらも,中国・東南アジアへ‘大変迷惑をかけたことを深く反省しなければならない’といわざるをえないような過去の日本の侵略戦争,総じていえば‘天皇制軍国主義’をもっとも大きく支えたものは,戦前の教育のあり方といってさしつかえないでしよう.
古来,たとえばギリシアのソクラテス,プラトン,アリストテレスなど哲学者たちも,政治の問題を考えれば,そこには当然,その政治をになう人間の問題に関心を払わずにはおられませんでした.したがって彼らは多かれ少なかれ,政治と教育との関係について考えていましたし,また過去・現在の有名な政治家もまた,多かれ少なかれ,教育論を展開しています.
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