特集 転機にたつ保助教育
保健婦教育の変遷—曲がり角にきた保健婦教育をふりかえって
木下 安子
1
1東京大学医学部保健学科
pp.19-27
発行日 1970年12月25日
Published Date 1970/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906402
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はじめに
第28回の日本公衆衛生学会総会が名古屋で開かれた。いくつかのシンポジウムのなかで出席者が多く,活発な討論がおこなわれたものの一つは“住民との接点における保健活動—公衆衛生看護活動を中心として—”であった。朝日新聞も家庭欄で8段ヌキでその模様をつたえ“実際にあった事例をもとに,保健婦自身の反省と,行政への批判が熱っぽく討論された”1)と書いた。今,全国衛生部長会,全国保健所長会,日本看護協会保健婦会などがそれぞれ保健所のあり方等について試案をしめし2)3)4),また,厚生省も「保健所問題懇談会」を11月発足させる5)という。こういう時期に保健婦が住民の健康なくらしを守る上で自らの果した役割を問い,学会の場で討論されることはきわめて有意義なことであろう。そして同時にこのことは“保健婦教育”についても問われるべきことではなかろうか。
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