特集 声 准看護婦の私
10年の歳月をふりかえって
北村 勝子
1
1滋賀県大津市御殿浜県立病院
pp.79-80
発行日 1966年1月1日
Published Date 1966/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912605
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本誌「准看昇格問題」を熟読後,私は感じた。資格取得後10年,逆境の道で波瀾な毎日であったことをしみじみ自分をいたわる思いで,今は静かに昇格することのみ願ってやみません。市立総合病院の養成所で学んだ私,当時3期生だった私は,卒業生が毎年どんどん卒業と同時に市の職員としてそのまま病院に就職した結果,市の条例で定めたる看護職員増多のためと,また当時不況状態だった経済面がからんで,われわれは他の県下の病院に就職せねばならなくなった。
当時,免許証を胸に新たな病院を胸にえがき,希望犬きく期待して就職した病院,それは某国立病院であった。国家公務員として働くようになり,毎日自分なりに仕事に忠実,かつ高校通信教育で教養を積み大いに将来を夢みて来た。ところが高齢者のなかで,ただ1人17歳の私は実社会の荒波に感受性に富んだ乙女の夢をふみにじられた。その後県立病院に勤務以後現在にいたるが,ここもまた平坦な道ではなかった。
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