特集 現行看護教育における諸問題
助産婦教育の問題点
吐山 ムツコ
1
1岡山大学医学部付属助産婦学校
pp.37-42
発行日 1970年4月25日
Published Date 1970/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906323
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はじめに
看護教育の問題が看護界内外において論議され出して相当の歳月になる。この間において文部省では国立大学医学部付属看護学校の学科課程の検討を行ない,3年制看護学校のカリキュラム改正の発表を行なった。厚生省もこれに同意し,指定規則の一部改正を行ない全国の看護学校が実施上においてそれぞれ多少の相違点がありながらも,ともかく文部省や厚生省,あるいは学識経験者と言われる方がたの描いた,望まれた目標にしたがって教育を実施してから3年目をむかえるに至っている。
さて助産婦教育の場合でも現行制度の教育が実施されてから以後,産婦人科医師間のうちから,あるいは助産婦の間でも論議は常に行なわれているが制度改正にまでは至らないで今日まできている。しかしながら,現行制度実施の時よりほとんど全部の教育施設が,6ヵ月では教育せず1年間を要している点をみても,また現行制度を適用して最近実施され出した保健婦,助産婦合同教育の施設の状況(教育内容や,学生定員など)をみても決して社会の要求をみたす助産婦教育を行なっているとは思えず,制度改正の必要性はその極に達しているのではないか。
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