特集 看護婦の勤務と生活の合理化
第3部 対人間係をよくするために
学生自治の意味
高橋 憲一
1
1上智大学
pp.94-95
発行日 1961年6月15日
Published Date 1961/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912548
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Ⅰ よく電車の中で高校生や中学生のグループと乗りあわせることがある。まるで他愛のない話題でも,彼らは彼らなりに夢中で打ち興じている。彼らはただ仲間と話しあうことだけで,うれしくてたまらないのである。
若い人は容易に仲間の中にとけ込み,そこから成長に必要な影響と感化を与えあい,受けとりあう。それが彼らの本来あるべき姿である。もし,すぐれた天分,能力の持ち主をそのような仲間に持つたなら,若い人はどれほど格段の進歩をとげることができるだろうか。また反対に,ひとりの若者がどんなにすぐれた天分をもつて生まれついているにせよ,それを発揮させ,盛りたてるような仲間をもたなかつたなら,あたら天分を枯死させることに終わるであろう。学校という共同社会の意味は,何よりもまずこのような点にある。
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