教育のひろば
教育とは?
柘植 明子
1
1日本女子大学
pp.5
発行日 1967年8月1日
Published Date 1967/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663905857
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教育といえばすぐに学校教育となり,また近頃その重要性が入びとによつて再認識されている家庭教育,それを含んでの社会教育(生涯教育)となりがちである。そこで上に何もつかない教育そのもの,わかりきったこととしてふまえられている教育ということを一ぺんとり上げて考えてみたいと思う。
よく教育とはあるべき姿,理想像とその現在の状態との間にあるギャップを埋めていくこと,すなわち現実の姿を理想像に近ずけていく作業であるといわれている。なるほど,そしてその理想像とはどんな状態なのか,その魅力の一端でもを実感したいものとなってくる。この実感こそはその理想像へ一歩でも前進したいという意欲の発動となり,前進する動力となるのではないだろうか 反対にこの実感がなければとかくその理想像は絵に描かれた餅となりがちで,ともすれば生きた人間とは断絶状態になる恐れがあると思う。
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