教育トピック
看護教育とプログラム学習(続)
沼野 一男
1
1東邦大学
pp.60-61
発行日 1966年2月1日
Published Date 1966/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663905573
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□人間関係の教育とプログラム学習
看護教育と普通の学校教育との重要なちがいの一つは,看護生徒は学校で学んだことをいつでも他人(患者)のいる所で行なわなければならないということである。したがって看護教育では,生徒が獲得した目標行動を現実に行なう場合に,患者の存在がどう影響するかを考えておかなくてはならない。特に,プログラム学習では,学習は個別的に行なわれるから,一層重要である。
SyracuseのMedical Centerでは,このことを考慮して,人間関係に関するプログラム教材を作ることになった。患者との関係については,生徒は患者を理解したり,受容したりするように教えられなければならないと一般に考えられている。しかし,看護について学びはじめたばかりの生徒に,患者を理解することを期待しても無理であろう。患者を受容することはそれとくらべれば易しいかも知れないが,受容するというコトバも理解するというコトバと同じように意味のあいまいなコトバである。プログラムを作る場合には,こういうコトバは分析して,具体的で明確な目標行動の形に直しておかなくてはならない。そのためには,まず,生徒が病院内で出合う典型的な状況とその場合の理想的行動を具体的に明らかにする必要がある。
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