教育のひろば
病人という経験の中で
塩 ハマ子
1
1文部省婦人教育課
pp.1
発行日 1964年9月1日
Published Date 1964/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663905342
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私は,終戦後,胸部疾患のため,再度にわたる手術をうけ,3年余も入院生活をした。いまでも病院の門をくぐり,診察をうけているが,したがって看護婦との関連も多く,教育のあり方についても考えさせられる点が多い。
きびしく任務に立向かっている看護婦の姿は感動的であり,婦人の職業としてこの上ないものである。この職業が専門職業として位置が確立されるよう願われてならない。看護の機能の中で,看護婦のもつ人柄,職業意識の如何によって患者に与える影響が大きいことを考えなければならない。このことは,他の職業の場合でも同然であるが,看護婦という弱い病人に直接ふれる職業については特に重要である。
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