教育のひろば
行動の美しさを
滑川 道夫
1
1東京教育大学
pp.1
発行日 1964年6月1日
Published Date 1964/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663905297
- 有料閲覧
- 文献概要
“看護”の看には,いうまでもなく“みまもる”という意味がある。目の上に手をかざして,ひとつのところを,じっと見まもるというすがたが原形になっている。そこには,“敵のようすを目離しせずに見まもる”といった相対するものへの“きびしさ”とともに,相手への愛の“まなざし”ともいえる“やさしさ”が感じとられる字である。“看護”に必要な条件である,“やさしさ”と“きびしさ”がこの文字の裏面にも生きているように思われる。
“護”は,保護の護ではあるが,言べんがついているのは,古くはことばに関係があったからである。いまでは“まもる”意味につかわれているが,古くは,“ことばで言いまわす”という意味があった。弁護するという意味であった。つまり,ことばでもまって,まもるというはたらきが象徴されているのです。やさしいことばやはげましのことばによって,まもることができたにちがいない。
Copyright © 1964, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.