グラビヤ
ハイウェイの横顔
pp.33-36
発行日 1964年6月1日
Published Date 1964/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663905303
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高度経済成長の歩留りが目にみえてきた現在も,東京のハイウェイ建設だけは,オリンピックを迎え,また年一年と激しさを増す自動車ラッシュのためにも盛んである。とにかく大東京ともなれば,交通災害で死者の出ぬ日が2日とつづけばニュース種。救急病院は夜昼なしの活躍という悲しい事実がこのハイウェイ完備によってなくなるのであれば喜ばしい限り。放射・環状・補助線あわせて256.6kmが完成,これで予定の半分という。しかしそのかげで都民生活はしいたげられる。緑地は削られ,堀割りは埋められ,最大の足であった路面電車は廃止され,風の吹く日は大砂塵,雨の降る日は泥沼と泣寝入りの状態は考えものである。
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