インターホン
美しい顔
田中 隆子
1
1長野赤十字病院
pp.45
発行日 1967年6月1日
Published Date 1967/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203415
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授乳,検温,処置廻診,そして面会人の応待にと忙しい日課をおえると,ようやく心身ともに休むことのできる夜がやってくる.入院分娩の長所として取りあげられている休養は,前述の日課と,それに病院の一隔に属するという産科病室のあり方のために,その煩雑さと,騒音の中で十分とはいわれない現状にある.
ただし,午後9時の消灯を合図に朝6時の授乳時間までの何時間かは救急の入院を除いては,実に静かである.この間が,ほとんど褥婦の疲労恢復時間であるといっても,差しつかえないであろう.妊娠から分娩そして育児へと,女性に与えられた大役のなかで,"出産"という最も期待され,また感激ひとしおの役割を終えた褥婦はこの静かな夜を,ひたすら眠るのである.
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