連載 生活の輪郭・第8回
美しさについて
尾山 直子
1
1桜新町アーバンクリニック在宅医療部
pp.79-81
発行日 2024年3月15日
Published Date 2024/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688202079
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よく思い出す、ふたりの女性がいる。
ひとりの女性は、長身の、すらりとした立ち姿の人だった。ネグリジェに軟性コルセットを巻いて、「夕方の5時になったらお酒を飲むの。わたしのルール」と笑っていた。ひとり暮らしの彼女の部屋は、いつもコーヒーの匂いがしていて、窓からは広い空と公園が見えたのをよく覚えている。
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