私はこう教えている
この指導案についての感想
松浦 京
1
1国立東京第一病院外科
pp.26
発行日 1964年2月1日
Published Date 1964/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663905243
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バセドウ病,甲状腺腫瘍は内科的治療が主となりますので,手術決定までの期間はもちろん,手術前後にわたって内科的治療が併用されることが多いわけです。この点からもこの指導案を拝見してたいへん適切だと思います。看護法を教えるものとしていかに臨床経験が大切かということを痛感するとともに,充実した指導案に敬服いたしました。ですからここにあげられたことに対してとやかく申しあげることはむずかしいことだと思います。なぜならば実際の指導法においては実例,器具,材料を示したり,デモンストレーションなども考慮されることと思いますので,そういう考えのもとに感想をのべさせていただきます。バセドウ病,甲状腺腫瘍の看護法にはいる前に,すでに内科学および看護法が終了してるか否かによって,解剖生理,原因などの説明を考慮しなければならないと思ってます。内科終了後であれば,質問による復習で進められますが,まだの場合は頸部の解剖生理の復習原因,症状はできるだけくわしく説明する必要がありますし,検査項目のなかでも基礎代謝測定は最も大切なものですから検査前の注意事項の強調,検査目的によってはヨードを含む食餌を禁止することなどあるわけです。また私も過去,術直後にショック死に直面したことがありますので,術前,術後の細心な看護と特に救急処置などにも熟練しなければならないことを痛感しております。
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