私はこう教えている
この指導案についての感想
高橋 百合子
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1東京逓信病院付属高等看護学院
pp.33-34
発行日 1964年3月1日
Published Date 1964/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663905260
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小児の症状を中心とした看護の指導案について,小児特有な症状が明確に折り込まれて展開されている点は,学習する立場にある学生にはよく理解ができることと信ずる。診断のつかないままに入院して来る病児の実態と症状の適格なる観察の仕方,予想されるべき症状に対する当をえた看護の計画の重要性,診断への資料の提供が敏速,綿密に行なわれなければならない点などもよく理解される。非常に苦労してたてられた教案であり,小児の看護か成人と比して,どんな所にポイントをおかなければ,小児を実際に看護できないかがよくわかる。小児科看護法26時間中,6時間をこの単元に使用され,立体的に正しい応用力を身につけるようにと,必要時患児を一例として看護上の問題をとり上げて,疾患別,症状別両面より学習を進めて行かれる単元の展開に,研究の程がしのばれる。実際の看護計画をたてさせてみる(宿題として)のも一案であろう。6時間の内容について,もう少し具体的に,きざみを深く掘り下げられて(例1.泣き声によるみわけ方2.胃の安静,3.チアノーゼなど)いき,小児特有の看護の実際を具体的な方法で表現されたら非常に充実されたものとして,他の指導者にもまた役に立つことと信じます。しかも関連学科の講義内容も十分考慮されている教案なので。その他母親,家族に対する諸問題(面会などについてを含む),療養生活の援助(保健指導を含む),予防などを包括したらより実態にもそった輝かしい教案ともなろう。
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