特集 クラブ活動をどうするか
目標をもった活動を
鈴木 恵子
1
1東京医科歯科大学医学部付属看護学校
pp.14
発行日 1964年2月1日
Published Date 1964/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663905238
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困定化した生活から抜け出すためにも
「さあやっと実習が終わった。おなかもすき足が痛い。」病室から戻ると後は静かに横たわっていたい気持ちである。ある時は遅れていてバイトへといさんで行く友,そうぞうしい一時である。また雇用先から「遅れて……」と不平を言われることだろう。実習といっても決して充実した実習とは言えず,一面では労働力として提供される。入学時未知の世界へ大きな希望と夢をかけて志したわれらが,連日実習とあっては疲労だけが残るのみで,希望も夢も疲労の中に覆い隠されてしまう。看護学校の不安定な位置,環境設備の不十分さ,教務の位置など高校に比し矛盾し納得できぬものばかりであったが,次第に環境,習慣に染まり,学校と寮の往復,社会に目を向ける習慣も薄弱となり,寮にいては友だちとだべり,勉強の習慣も忘れさられ,自分の周囲だけに関心が注がれる状態になってしまう。私たちの場合美術部,文芸部,バレー部の三つがあるが,すべて名目にすぎず,ほとんど活躍されてない。クラスの大半がバイトをしており,授業終了4時〜10時の自由時間に費やされ,また部員の人たちがさほどの意欲も示さず,存在が危ぶまれている状態である。学部と一緒のクラブが7つもあり,学部との交流の場として唯一のものであるため,これらへの吸収率が高くドッとはいり込む。
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