教材
戦後に人びとをとらえた宗教—3.“病気なおし”の仕組み
佐木 秋夫
pp.37-40
発行日 1963年7月1日
Published Date 1963/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663904405
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“おがめばなおる”というような“病気なおし”をはじめとするさまざまなゴリヤクの信心こそ,新興宗教のかなめです。追いつめられて“ワラにでも”すがる気持はわかるにしても,起こるはずのないそういう奇跡の信仰が幾百万の現代人をひきつけているからには,何かそこに特別のうまい仕掛けでもあるのではないでしょうか。いったいその奇跡なるものは,どんな構造になっているのでしよう。だれしも最初は首をかしげるはずなのにそれがどんな仕掛けで信じこむようになってしまうのでしょう。新興宗教にはレクリエーションの要素もあるし,社会的な活動の代用もつとめて悩みと迷いの多い未組織の大衆をひきつけます。そのことは前回にのべました、それにしても,新興宗教のかなめであるゴリヤク信心そのものの構造はどうなのか。この回ではその点を,病気との関係を中心にして,しらべてみることにしましょう。
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