教材
戦後に人びとをとらえた宗教—4.医療と新興宗教
佐木 秋夫
pp.42-45
発行日 1963年8月1日
Published Date 1963/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663904421
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
生き神とゴリヤクと神国の建設と。これが新興宗教の信仰の3本の柱です。およそ現代ばなれしていて,かつての天皇崇拝のマンガといったところです。じっさい,古いもので固めて人民を押えていた天皇制こそ新興宗教の生みの親なので,だから新興宗教のことを‘天皇制の落とし子’などとよぶのです。ところが,天皇制の申し子の仏教や神道は影がうすくなって,落とし子のほうが張りきっています。過去のなごりとか,やがてはしぼむあだ花とかいって片づけるには,あまりに大きすぎます。これまで3回にわたって,その新興宗教の種類,発生,みりょく,仕組などをのべてきましたが,最後に,新興宗教をどう扱ったらいいか,その問題になる点を,おもに医療との関係からかんがえておくことにしましょう。
Copyright © 1963, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.