話し合い ほんやく「消化性潰瘍と潰瘍性大腸炎の精神面の治療」を読んで
患者全体をみて病気をなおす
高階 経和
1,2
,
石本 富子
3
,
藤本 佳代子
4
1神戸大学医学部
2淀川キリスト教病院循環器科
3兵庫県立こども病院感染癌棟
4高階心臓病クリニック
pp.35-41
発行日 1971年9月1日
Published Date 1971/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916119
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高階 いままでは,藤本さんが「AMERICAN JOU-RNAL OF NURSING」の一節の翻訳をして,それに関してわれわれがどういった日本的な解釈をするか,どういった応用面があるかといったことについて,話をしてきたわけなんですけれども,今月は少し趣向を変えて,「Post Graduate Medicine」というドクターのための卒後研修を目的とした雑誌のなかで,これはおもしろいと思ったものがあったので,それについて編集部の方もまじえて話していこうというわけです。
いわゆる消化性潰瘍,あるいは潰瘍性大腸炎といった消化器系統のサイコソマティック・ディスオーダーといったことを話していこうと思います。ご承知のように,日本は急性の胃炎から胃癌に至るまで,世界で一番消化器病が多い国です。そのための薬というのも,世界のトップをいくほど種類が多いし,また利用度も多い。そうなりますと,消化性潰瘍というのはただ内科医が漫然と「ここに潰瘍があったからすぐお薬を飲みなさい」といった形でほおっておくより,さらにつっ込んで患者さんの病気のなりたちというものを,親身に考えてあげる必要があるんじゃないか。そんな意味で,私はこの論文はおもしろいと思うんです。
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