連載 基本から学ぶクリティカルケア看護・10
クリティカルな患者の腎機能と体液管理
遠藤 みどり
1
,
池松 裕子
1
1山梨県立看護大学
pp.578-583
発行日 2001年7月25日
Published Date 2001/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903872
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はじめに
腎臓は,体内の代謝産物の排泄を行いながら,体内の水・電解質代謝および塩酸基平衡を一定に保ち,体内の恒常性を維持している主要な臓器です.一方,レニン,エリスロポエチン,活性型ビタミンD3などのホルモンを生成し,それぞれのホルモンが血圧,貧血,骨代謝に関与しています.したがって麻酔や手術,外傷などの侵襲により腎機能が低下すると,全身に影響を及ぼし心不全や呼吸不全など多臓器の機能不全(MOF:multipleorgan failure)に陥る危険性があるので,腎機能に応じた援助が必要になります.
今回は,クリティカルな患者が陥る危険性が高い急性腎不全に焦点をあてて述べていきます.体液管理に必要な体液のアセスメントの詳細は,他の文献1)や成書を参照してください.
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