特集 看護教育と代替/補完療法―臨床・教育でどう実践されているか
気功の実践―自分を知り,感じることが他者の理解を深める
百々 雅子
1,2,3
1国立国際医療センター附属看護学校
2国立精神神経センター国府台病院附属看護学校
3気功療法研究所
pp.644-649
発行日 1999年8月25日
Published Date 1999/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903839
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気功の授業の始まり
気功を,看護の専門科目の中で教えてほしい,という依頼が,国立国際医療センター附属看護学校から私のもとにあったのは,一昨年のことである.私は,この学校においてそれ以前から英語を担当していたため,当校の先生方とは,十分面識もあったし,授業の指導方針も私なりに理解しているつもりであった.とはいえ,看護学校とは別のところで私が長年やってきた気功を,どのように看護の専門科目として教えればよいかは工夫の要るところであり,学校の意図をさらに聞いてみなければならなかった.
学校側からは,2年生の学生たちが看護の専門分野を学んでいく前提として,
1)現在学んでいる西洋医学を,人類が生み出した医学の歴史的流れも踏まえて,より広い視点で見られるような観点を与えたい
2)国際化する社会で,異分化からの人々の援助に必要となる異種のケアの存在を知る契機を作りたい
3)学生が看護の出発点として,まず自分自身の体や心を知り,感じる方法を提供したい
という回答をもらった.
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