連載 病床環境理解のための12の課題・10
療養場面とベッドまわり空間
課題5:対人距離とベッド間隔[後編]
川口 孝泰
1
1兵庫県立看護大学
pp.78-81
発行日 1996年1月25日
Published Date 1996/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901307
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ベッド間隔に関する実験的な検討
多床室のベッド間隔値の問題は,1992(平成4)年の医療法改正に伴って,看護分野のみならず建築分野においても,入院患者の生活の場を考える際の基本的な課題として,いくつかの検討が行なわれた.中でも高橋らは,ベッド上臥位における対人距離に焦点をあて,その特性について検討を行なった1).
高橋らの実験は,2つの平行に並べたベッド上で臥位をとる場合,お互いの身体の向きによって居心地の印象がどのように異なるかについて,ベッド間隔の距離を変えて調べたものである.図1は,距離の違いによって得られた「離れたさの程度」と,身体の向きとの関連である.お互いに向かい合っている場合が最も「離れたさの程度」が高く,お互い背中向きの場合が最も低い結果となっている.お互い上向きの場合と,並列向きの場合は,その中間的な結果であった.
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