連載 病床環境理解のための12の課題・17
入院生活における意識と行動
課題9:入院生活とストレス(後編)
川口 孝泰
1
1兵庫県立看護大学
pp.680-683
発行日 1996年8月25日
Published Date 1996/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901438
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ラザルスの述べた認知的評価とは
コーピング理論を理解するために,ラザルスの述べたストレッサーに対する「認知的評価」という言葉の意味について考えてみよう.
まず基本的な用語として「認知」という言葉について確認してみる.「認知」に関連する用語として,「知覚」「認識」などがある.「知覚」とは,見る,聞く,触れる,嗅ぐ,味わう,などの五感,および温感・痛感・平衡感覚など身体の受容器を通して大脳に伝達され,外界の事物や出来事,自分自身の状態などについて直接的に知ること,またはその過程である.「認識」とは,これらの知覚を総合して,それまで学習したさまざまな記憶を通じて理解することである.
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