連載 病床環境理解のための12の課題・15
入院生活における意識と行動
課題8:ベッド上で過ごす入院生活とは(後編)
川口 孝泰
1
1兵庫県立看護大学
pp.500-502
発行日 1996年6月25日
Published Date 1996/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901398
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看護理論における欲求の捉え方
人間の行動を欲求の充足過程と捉えるならば,無事に欲求が満たされれば単位行動は終わるが,実際の日常生活では,無数の障害によって欲求が満たされない状態,思うようにならない状態(フラストレーション)が多い.さらに,病院に入院すると,健康時には適応し得る欲求でも,さまざまな形で阻害され,患者個人では対応し得ない状況に陥る.
看護は,健康回復に関わる欲求が充足できない対象に対して,本人に代わって欲求の充足を支援することにある.V. ヘンダーソン,H. E. ペプロウやE. ウィーデンバックなどは,看護実践の活動を,このような観点(ニード論)から專門的に位置づけた代表的な看護理論家たちである.
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