Japanese
English
研究と報告
私たちが行なっている二分脊椎の早期治療
Early Orthopedic and Urologic Treatment on Spina Bifida.
乗松 尋道
1
,
立川 厚太郎
1
,
北村 由紀子
1
,
倉田 久介
1
,
新田 初美
2
Hiromichi Norimatsu
1
,
Kotaro Tachikawa
1
,
Yukiko Kitamura
1
,
Kyusuke Kurata
1
,
Hatsumi Nitta
2
1新潟県はまぐみ学園整形外科
2新潟県はまぐみ学園小児科
1Department of Orthopedic Surgery, Hamagumi Crippled Children's Hospital.
2Department of Pediatrics, Hamagumi Crippled Children's Hospital.
pp.129-134
発行日 1980年2月10日
Published Date 1980/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104273
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はじめに
二分脊椎は先天奇形の中で高頻度に発生するもののひとつである.その発生率を表1に示すが,本邦でのそれは欧米に比較して低く出産1,000に対して0.08~O.44である.最近神経外科の進歩によって,脊髄髄膜瘤形成術と,脳水腫に対する導水管手術が適切に行なわれるようになり,死亡率が減少したばかりでなく,知的なおくれを伴わない患者が増加した.最も多い脊髄障害の形は障害レベル以下が完全に機能していないものであるが,その他に,障害を受けた髄節以下が残っているとか,完全な横断障害でない場合もある.
いずれにせよこのような障害は先天的であるから,整形外科的,泌尿器科的治療は生下時から計画的に行なわれるべきである.
欧米では,1960年代のはじめからこの疾患に対して積極的な治療が行なわれてきた10).しかし最近は症例を選択して初期の神経外科的手術が行なわれている11,12).
本邦でもこのような選択的早期手術法を行なう医療機関が出てきた13).けれども初期の神経外科手術後の整形外科的,泌尿器科的管理が継続的に行なわれていないのが我国の現状と思われる.ここでは,最近私たちが行なっている治療法を中心に,二分脊椎に対する整形外科的早期治療について述べてみたい.
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