特集 退院指導;なにをするのか
私が行なってきた退院指導
村山 伊勢子
1
1君津中央病院
pp.563-568
発行日 1987年7月25日
Published Date 1987/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207173
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はじめに
「褥婦に対する退院指導は何のために行なうのか」と問われれば,あらためて考えたことがなかったという感想のあとに,ほとんどの助産婦が「退院後,お母さんになった人が困らないために」と答えるのではないかと思う。だが,退院指導を一通り行なったからといって,褥婦さんは現実において,困っていないであろうか。
私が助産婦として働くようになって10年がたった。この10年間を振り返ってみると,私のほうが一人ひとりの妊・産・褥婦から多くのことを教えられ,助産婦として育てられた年月であったことを痛感する。今回,妊・産・褥婦とのかかわりを振り返る機会を与えられたので,私自身「褥婦が退院後困らないための退院指導とは何か」を改めて考えるために,私が行なってきた退院指導を述べてみたい。皆さまからのご批判をいただければ幸いである。
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