調査・研究
看護学生の老人イメージについての一考察
菱沼 典子
1
,
太田 喜久子
1
,
小山 眞理子
1
,
田村 正枝
2
,
村嶋 幸代
3
,
清 真佐子
4
1聖路加看護大学
2長野県看護大学
3東京大学医学部地域看護学教室
4前聖路加看護大学
pp.730-735
発行日 1995年8月25日
Published Date 1995/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903717
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はじめに
ひとつの言葉や事象についてのイメージは,個人によって非常に異なるものである.ボウルディングはイメージを「真実と信じていること,主観的な知恵」1)と述べている.そして,行動はイメージに依存し,またイメージは情報によって,根本的に変わる・明瞭化する・変わらないのいずれかであるという.
老人に対するイメージは,学生間でも,また学生と教師の間でも異なっていよう.その相異を認識し,学生が描いているイメージ,つまり学生にとっての真実を教育の出発点にしなければ,ちぐはぐな学習になってしまう.学習は情報量を増やす場であり,イメージを変える場になり得るので,どういう情報を提供して,学生のイメージを豊かにしていくかは,看護教育者の課題である.また,実習での学生の行動は,その学生のイメージによって,引き起こされているといえる.これらの観点から,学生が老人に対して抱いているイメージを把握しておくことは,老人看護学の教育プログラムに役立つと考えられる.
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