連載 アメリカ合衆国の大学院課程における看護教育・5
看護の大学院教育の現状と課題(その1)―現在の看護の大学院教育の概要
豊澤 英子
1
1大分医科大学医学部
pp.386-394
発行日 1993年5月25日
Published Date 1993/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903670
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4回にわたって,アメリカ合衆国の大学院における看護教育の成立と発展過程を明らかにしてきた.大学院教育は,看護理論,看護学に関する批判的・創造的研究を行ない,自らの意志でもって看護の役割機能を判断し実行できるリーダーの養成に重要な役割を果たしている.その教育内容は大学毎に異なり,多様性と柔軟性を持っており,学位のタイプにかかわらず,看護学としての優秀性を維持,発展させるよう設計されている.
看護の大学院教育は,これらの特徴を生かしながらさらに発展の段階にあると考えられるが,1980年代には急速にその数が増加しており,質的問題が懸念されていた.その実態は明らかにされていないが,専門職としての質の維持,向上を図るためには,大学院における看護教育の現状と課題を明らかにすることが緊急課題と考えられる.
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