連載 アメリカ合衆国の大学院課程における看護教育・6
看護の大学院教育の現状と課題(その2)―看護の修士課程および博士課程のカリキュラム
豊澤 英子
1
1大分医科大学医学部
pp.468-472
発行日 1993年6月25日
Published Date 1993/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900602
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看護の修士課程のカリキュラム
看護の修士課程のカリキュラムは,まず看護教員と看護管理者を養成するために開発された.初期の目的は,看護学校や他の機関で教えるために必要な知識や技能の修得にあった.
看護の修士課程のカリキュラムが全国レベルで初めて討議されたのは,1952年の全米看護連盟上級看護プログラム代表者会議においてであり「専門領域にかかわらず,すべての看護修士課程が持つべき共通コアはあるのか」1)について検討されたが,統一見解は見出されなかった.1960年代になり,看護実践の役割モデルとしてのクリニカル・ナース・スペシャリストの必要性が増したことが,急速に看護の修士課程の中心に変化をもたらした.カリキュラムの中心は,専門的な臨床実践を強調するものと,教員および管理者役割を強調するものの2つに大きく分かれた.1970年代には,さらに臨床専攻が中心となって発展し,1980年代もその傾向を強めているが,全国的なデータは明らかにされていない.
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