特集 患者にとって家族とは
家族の変容と課題
中久喜 町子
1
1日本大学大学院
pp.491-497
発行日 1992年7月25日
Published Date 1992/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903589
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家族は人間にとって最も身近な集団である.ほとんどの人が自らの家族生活を体験し,家族について何かを語ろうとする時,良きにつけ悪しきにつけ自らの「家族」を基準に考えるのが常である.しかし基準となる家族は性,世代によって一様ではない.また「基準」の中にさまざまな幻想や理想を押しこみ,現実とのギャップに自分自身や周囲の人間を責めたりもする.家族が変化していることがより一層この事態に拍車をかけることになる.
現代社会で患者になること,患者の家族になることは特別な意味(meaning)をもっている.なぜならこの社会は健康な人によって体系化され,健康に価値をおく社会であるから.
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