連載 買いたい新書
国際結婚とストレス—アジアからの花嫁と変容するニッポンの家族
杉山 克己
1
1同朋大学社会福祉学部
pp.268-269
発行日 1996年3月1日
Published Date 1996/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905042
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二足草鞋の精神科医の見た日本社会
外国人花嫁とその家族たちへの支援を通じて
この著者は,現在山形大学医学部の付属病院精神科医局に籍を置く若き(1963年生まれ!)精神科医である.著者が「はじめに」で述べているように,この本では,山形という地域に限定したことがらとしてではなく,そして精神科医という立場にも限定せずに「“移民”にとって日本社会におけるストレスとはなんなのか」を述べようとしている.それは,著者がもう一方で,JVC山形というNGO(非政府組織)の事務局長もしているからであろうか.
本書のタイトルは「国際結婚とストレス」とはなっているものの,その本質においては「新たなる多民族共生社会への1つの模索」を求めたものであり,結局は「日本社会」の問題を扱おうとしているに相違ない.
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