連載 援助場面からまなぶ家族看護学・7
家族の発達課題の達成を助ける
渡辺 裕子
1
,
鈴木 和子
1
1千葉大学看護学部家族看護学講座
pp.66-69
発行日 1996年1月1日
Published Date 1996/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904994
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
家族は,家族内部の健康問題への対処を行ないながらも,同時にそのときどきに応じた家族の発達課題を達成していかなければなりません.しかし,特に患者の健康問題が持続する場合では,患者中心の生活パターンが長期にわたって持続することによって,本来の家族の発達課題達成のチャンスを失ってしまうことも少なくありません.
この家族の発達課題の達成は,患者の病状に直接関与するものではなく,家族が問題を訴えてくることもほとんどないために,看護職もとかく見逃しがちです.しかし,家族成員が患者への対応に終始してしまって,家族全体の発達課題をうまく達成できず,そのことがのちの家族の発達に大きな影響を及ぼすといったことのないように,看護職は,単に家族成員が患者へうまく対応していればいいというのではなく,同時にその家族に求められている家族としての発達を促していかなければなりません.それでは具体的な援助場面をご紹介しましょう.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.