特集 ペーパー・ペイシェントによる教育方法・教育評価―看護師2年課程通信制実施に関わる教育教材等の開発に関する研究より
紙上患者事例編
老年看護学
事例1:寝たきり予防のための活動意欲を引き出す老年期の看護
キーワード:
骨折
,
寝たきり予防
,
活動意欲
,
過去の回想
Keyword:
骨折
,
寝たきり予防
,
活動意欲
,
過去の回想
pp.952-959
発行日 2003年11月30日
Published Date 2003/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903542
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疾病や障害のため入院した老年者は,新しい環境の中で医療やケアへの依存を求められる.やがて急性期を過ぎると依存から自立していくことが求められるようになる.しかし,疾病や障害の程度,後遺症によって,さらには老年者個々によって異なるが,健康なときに習慣として行っていた生活が新たな挑戦になる.病状の回復期といっても自立していくうえでは老人自身の努力が必要になる.
また,他者の手を借りなければならないような状況は,患者に不安や羞恥心,恥辱感をもたらすものである.これらの感情は自尊心を傷つけ,人間としての誇りや尊厳をうち砕くものであり,自己の無用感を抱きやすく無気力になりやすい.このような心理的反応は自分の生や生活全般への積極的な姿勢(生きる意欲や闘病意欲)を失わせ,家族や周囲への依存を増大させる.つまり依存的・自己中心的に変化していかざるを得なくなる.
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