特集 ペーパー・ペイシェントによる教育方法・教育評価―看護師2年課程通信制実施に関わる教育教材等の開発に関する研究より
紙上患者事例編
在宅看護論
事例1:一家の大黒柱としての役割を最後まで果たそうとする筋萎縮性側索硬化症療養者と家族への看護
キーワード:
神経難病
,
生命危機
,
コミュニケーション障害
,
社会資源の活用
,
自己決定
Keyword:
神経難病
,
生命危機
,
コミュニケーション障害
,
社会資源の活用
,
自己決定
pp.925-933
発行日 2003年11月30日
Published Date 2003/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903539
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この事例では病気や障害をもちながら在宅で生活している人とその家族を理解し,在宅療養での生活の質を高めるための看護を学んでいくことが重要なポイントである.
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は成人に発病し,上位と下位ニューロンが侵される原因不明の難病である.四肢の筋力低下,繊維束攣縮あるいは筋萎縮,球麻痺症状など全身の運動機能が急速に侵され進行性の経過をたどる.呼吸筋の障害はやがて呼吸不全を呈するが,人工呼吸器の使用により,ALSそのもので死亡することは少なく,合併症の予防が重要である.また,眼球運動,直腸膀胱の括約筋,内臓,性機能,五感,精神機能は侵されない.したがって,排尿,排便機能は保たれるし,褥瘡の発生も少ない.
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