焦点
子どもの生きる権利を守った児童相談所―心臓病の児の治療拒否で認められた親権停止
清水 昭美
pp.760-763
発行日 2003年10月25日
Published Date 2003/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903502
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はじめに
近年,少年による凶悪事件が後を絶たない.今年の夏も12歳少年による長崎の幼児殺人事件,主犯ではないが16歳の女子が逮捕された熊谷の殺人事件,少年が野宿者を襲い,死亡させる事件もあった.被害者となった,渋谷で連れ去られ監禁された小学6年生の少女4人の事件も報道された.
事件のたびに,加害者や被害者の通っている学校の校長が取材を受け,全校生徒に「命を大切に」と訓話する様子が報じられる.「かけがえのない1人ひとりの命を大切にしましょう」と語ってはいても,生徒たちの胸にどれほど響くのだろうかと,毎度,空しい思いがする.大人たちが,日常の中であらゆる人の生命を大切にする風潮を培わなければ,少年たちの身につくことはないだろう.
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