焦点
看護を記述する用語―その歴史と展望
数間 恵子
1
1東京大学大学院医学系研究科成人看護学/ターミナルケア看護学
pp.648-660
発行日 2003年9月25日
Published Date 2003/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903481
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はじめに
「はじめに言葉ありき」の譬えのとおり,どの学問分野においてもその内容は表記に用いる言葉によって構築される.看護学の発展の歴史は看護を記述する用語の歴史そのものであるといっても過言ではない.看護を記述する用語の始まりは,医学の用語が古くはギリシャ時代に溯るのとは異なり,人類の歴史の上ではごく最近に過ぎない.
用語は,前述のようにそれによって学問内容を構築・体系化するものであるが,近年では,情報技術の発展と相俟って,保健医療の場では実践をより効率的に進めるために,用語自体の一層の確立と整理・構造化が求められるようになってきている.看護学および看護実践もその例外ではない.しかし,看護の用語は,わが国においても情報技術に載せるには,いまだ確立されているとは言い難い現状にある.それは,用語自体が学問としての看護学の確立と不可分であることによるものであろう.
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