今月の主題 画像でせまる呼吸器疾患
胸部X線像の理解
胸部単純X線像の記述用語
黒﨑 敦子
1
1虎の門病院放射線診断科
pp.1832-1838
発行日 2002年11月10日
Published Date 2002/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909130
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ポイント
胸部単純X線写真1枚は,実に多くの情報を満載している.まず,正常構造から逸脱している構造を浮き彫りにし,その陰影の性状を解析し,病理学的にどういう事態が起こっているのかを類推できれば,自ずと正しい診断に結びつくのである.
肺の基本構造が,肺胞(実質)と間質から成り立っていることを念頭に置いて,陰影が肺胞性陰影か,間質性陰影か,あるいは結節性陰影かを判断し,そしてその病変の空間的・時間的広がりについても考察することが,重要である.
しかし,単純な陰影のパターン認識による読影のみでは,実際には限界がある.これらの陰影は混在することがあるし,片方がもう一方のパターンを覆い隠してしまうこともある.また,既存の疾患によりいわゆる教科書的な陰影を呈するとは限らないからである.
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