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増大号 炎症性腸疾患2024
序説
炎症性腸疾患の診断と治療—現状と課題
Introduction
江﨑 幹宏
1
Motohiro Esaki
1
1佐賀大学医学部内科学講座消化器内科
キーワード:
炎症性腸疾患
,
潰瘍性大腸炎
,
Crohn病
,
診断
,
治療
Keyword:
炎症性腸疾患
,
潰瘍性大腸炎
,
Crohn病
,
診断
,
治療
pp.1319-1322
発行日 2024年10月25日
Published Date 2024/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403203728
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はじめに
本誌増刊(大)号のテーマとして炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease ; IBD)が取り上げられるのは,1997年(32巻3号),2013年(48巻5号)に続き今回で3回目である.初回特集号から約30年が経過しようとしているが,くしくもこの30年は筆者が一人の消化器内科医としてIBD診療に携わってきた年月と重なっており,まさしくIBD領域におけるさまざまな進歩を目の当たりにしてきた.このようなIBD診療における目覚ましい進歩は,患者数の急激な増加を背景とした病態解明や診断法の確立に負うところが大きいと考えられるが,病態解明に基づいた分子標的薬の臨床応用により,以前は内科治療による改善は困難とされてきたIBDの自然史も改善可能とされるまでに至っていることはIBD患者にとって大きな福音である.一方,IBDの長期予後を確実に改善させるためには,早期診断や適切な病勢モニタリングも重要であり,この点においても種々の知見が得られている.
今回,「炎症性腸疾患の診断と治療」という過去の2号と同じタイトルで序説を執筆させていただくにあたり,1997年と2013年の増刊号の内容を振り返りながら,IBD診療におけるこれまでの進歩と今後の課題について論じてみたい.
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