特集 看護学生の論文―大賞・入選論文の発表―看護のこれからを担う学生たちから寄せられた22篇
身近な人の死を体験して
桐明 孝光
1
1佐賀医科大学医学部看護学科
pp.595-596
発行日 2003年9月25日
Published Date 2003/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903463
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それは突然の出来事だった.祖父が死んだとの連絡があったのである.「えっ,嘘だろ!」と思いつつも,祖父の家に駆けつけた.祖父はベッドに横になって寝ているようで,普通に目を開けて起きてきそうな感じであった.聞くところによると,朝食に起きてこなかったので,呼びに行ったら死んでいたということであった.
祖母は涙を流して本当に悲しそうであった.身内の,今まで会った覚えのないような人も多く駆けつけてきたのだが,そこまで悲しんだ様子もなく,これからいろいろ大変だというような感じで部屋の片付けを始めていた.なぜ,身内の人はあまり悲しまないのかなと思ったのだが,あとで考えると悲しいのだが気を紛らわせるためにせっせと体を動かしていたのだろうと思った.私自身,今までにないくらい一生懸命部屋の掃除などを手伝ったと思う.
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