特集 看護学生の論文―大賞・入選論文の発表―看護のこれからを担う学生たちから寄せられた22篇
看護のアイデンティティと私
市川 麻里子
1
1浜松医科大学医学部看護学科
pp.593-594
発行日 2003年9月25日
Published Date 2003/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903462
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看護師をめざして
私が看護学生になってから,早いものでもう1年が経った.2年生になるにあたって,高校3年の時に入試の練習として書いた小論文や志願理由書の下書きなどを読み直してみたら,その時の看護に対する展望や自分の将来の夢と,今の自分の考えることが全く異なっていることに気づいた.
高校に入って進路を決める時に,私は看護師として働いている知人の影響で,看護の道に進もうと考えた.人の役に立ちたい,病気を抱える人の手助けをしたいという気持ちもあったが,それよりも,知人の楽しそうな仕事ぶりを話に聞いて,私も自分がしていて楽しい仕事をしたいと思ったからである.看護師になりたい,看護について学びたいという強い気持ちが自分の志望理由書には書かれていた.それを読んで,幅広く深い知識を得たい,沢山のことを学びたいと意気込んでいた頃の気持ちを思い出したが,今はその意欲がすっかり薄れてしまっていることに愕然とした.
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