連載 もうひとつのインドネシア―セックスワーカーを通してみたリプロダクティブヘルス・3
妊産婦死亡と身近な死
東梅 久子
1
1虎の門病院産婦人科
pp.1512-1513
発行日 2006年12月10日
Published Date 2006/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101337
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身近な妊産婦死亡
妊産婦死亡が出生10万対230のインドネシアにおいて妊産婦死亡は珍しくない.私が活動していた9か月間に知り得ただけでも,数人のセックス・ワーカーが分娩後に死亡した.
売春地域でセックス・ワーカーのなかに妊婦をみつけることは難しいことではない.マタニティワンピースに身を包み,大きなお腹をかかえて客を引く姿にはじめは言葉を失った.しかし,間もなく見慣れた光景になり,妊婦検診を受けているか,どこで受けているかを聞き,定期検診をすすめることが自分の役割だと思えるようになった.
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