マイオピニオン
若手医師への論文執筆の動機付けと指導法
多田 弥生
1
Yayoi TADA
1
1帝京大学医学部皮膚科学講座
pp.938-939
発行日 2018年11月1日
Published Date 2018/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205562
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論文を書くのが得意な人とそうでない人がいる.得意な人はどんどん自分で書いて指導医に持ってくるし,完成度も高い.指導医は少しアドバイスをするだけで,彼らの論文はどんどん世の中に出ていく.こうした人は自身ものちに指導的な立場につきやすい.一方,目標のために論文を書く必要性は十分にわかっているが,書けなくて本当に困っている人もいる.
誰に教わることもなく,自分でどんどん書いてきた優秀な指導者は,「自分は誰にも教わらずに書いてきたから,同じように,まずは自分で書いて持って来なさい」と言うかもしれない.一部の若手は,ここでまず挫折する.多くは,指導医に言われたそのときに奮起し,時間をかけて(しかし,最後は疲れて少し手を抜いて)なんとか論文を完成させるだろう.指導医に提出,添削され,論文は世の中に出ていく.一方,書いてはみたものの,あまりに支離滅裂のため,論文全体に大きなバッテンがついて返ってくることがある.全部書き直しである.支離滅裂と言われてもどこが支離滅裂かわからないし,忙しい指導医に聞くのも申し訳ないので,しばし呆然,もったいないが,そのままお蔵入りということもあるだろうか.
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