実践報告
看護基礎教育における自己教育力―実態調査からの考察
坪田 和美
1
1岡山看護専門学校
pp.242-244
発行日 2003年3月25日
Published Date 2003/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903381
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
自己教育力とは,自ら学ぶ力,学習意欲を持ち続けるために必要な自律,自主的,自己管理能力である.服部1)は「看護学生を含め『現代日本の青年の特性』として,教師が教えたり指示しなければ,自ら学習しない受動的な存在であることは否めない」としている.生活経験が乏しいための自信のなさや,内面の未分化・情緒的な未発達さのための感情的な危うさは苦難を乗り越える力の脆弱さにつながり,学生の受動的な学習姿勢に一層拍車をかけるものとなっている.
梶田2)は,自己教育性に必須のものとして,Ⅰ成長・発達への志向(1.目標の感覚と意識,2.達成・向上への意欲),Ⅱ自己の対象化と統制(3.自己の認識と評価の力,4.自己統制の力),Ⅲ学習の技能と基盤(5.学びの知識と技能,6.基礎的な知識・理解・技能),Ⅳ心理的な土台(7.自信・プライド・安定性)という4領域7側面をあげ,これらを支える重要なポイントは,自己教育的・自己成長的な自己概念のあり方であるとしている.
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.