焦点 寝たきり老人の看護に関する研究[1]
報告
日本における寝たきり老人の実態調査に関する考察
吉田 伸子
1
1千葉大学看護学部・看護実践研究指導センター
pp.323-334
発行日 1992年8月15日
Published Date 1992/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900089
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はじめに
近年,日本の老人問題は後期高齢名の増加に伴う諸問題,中でも「寝たきり老人」は痴呆老人に先行して社会問題化し行政サイドの取組みは,平成2年度厚生省の“寝たきり老人ゼロ作戦”の策定というところまできている。
「寝たきり老人」になることには主因となる何らかの身体的原因のほかに,過保護・愛情過多,拒否,放置,強制,生き甲斐の喪失といった心理機制が働いていることが指摘され,またの畳文化の影響も指摘されている。もっとも,『ルポ老人病棟』に代表されるシャーナリズムの告発はベットに縛りつけられている,関係者にとってもいささかショッキングな寝たきり老人の姿である。
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