焦点
教育目標分類(Bloom)による第91回看護師国家試験問題の分析①
足立 はるゑ
1
,
大西 文子
1
,
久納 智子
1
,
天野 瑞枝
1
,
巽 あさみ
1
,
盛田 麻己子
1
1藤田保健衛生大学衛生学部衛生看護学科
pp.468-473
発行日 2002年6月25日
Published Date 2002/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903217
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
第91回看護師国家試験後,失意の色を隠せない学生が多く見られた.雇用先の病院には「試験に合格しないと思うから就職を辞退したい」といった電話が相次いだとも聞く.新聞紙上でも問題状況が報道された.昨年に比して状況の解釈・判断といった思考を問う設問が急増したことや,看護者の対応,特に選択肢に患者への説明文(会話文)が多くみられたこと,専門性が高い問題,解答が複数存在する可能性がある問題,看護研究に関する問題が新たに登場したというのが,教育する側としての我々の印象であった.その後,厚生労働省からの発表として,不適切問題とその対処方法,合格基準が示された.
学生の今回の反応はかつてないもので,私たちは,国家試験問題を分析することにより,教育内容等の自己点検・自己評価に役立つ資料を得る必要性を感じた.看護婦国家試験出題基準1)によると「看護婦国家試験は質の高い看護職員の確保のために看護婦として必要最低限具有すべき知識・技能を評価するもの」とされている.したがって,個々の国家試験問題がどのような能力の評価をしようとしているのかを分析することにより,今後の教育上の資料が得られ,教育へのフィードバックが可能であると考える.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.