焦点
看護婦等国家試験の改善に関する研究
永山 くに子
1
1富山医科薬科大学医学部看護学科
pp.18-22
発行日 2002年1月25日
Published Date 2002/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903122
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はじめに
看護婦等の国家試験については,1999年度の厚生科学研究「諸外国における看護婦の資格試験実施に関する研究」(主任研究者:濱田悦子)で実施・報告されている1).報告では,日本における看護婦等国家試験に関する研究が極めて少なく,設問内容の妥当性に関する系統的・継続的研究の必要性を指摘するとともに,検討課題を明らかにしている.出題基準に関しては,①看護職にどのような役割を求めるのか,すなわち,今日の保健医療の状況下で看護職に必要とされる能力とはどのようなものか,②看護の基礎教育課程を修了した時点で,どの程度の能力が備わっていることが期待されているか,③国家試験に合格し,資格を得た時点で,看護職としてどの程度の実践能力が求められているか,を検討する必要があると述べている.
一方,1999年度に出された保健婦・助産婦・看護婦国家試験出題基準の中で,保健婦・助産婦については「6ケ月以上の修業年限で修得すべき能力」,看護婦については「3年間の修業年限で修得すべき能力」について明示されている2).しかしながら,現状の国家試験問題が,この能力を的確に測定・評価できているかの検討はされず,日本ではモニタリングシステムも存在していない.
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