焦点
自己学習を中心としたフィジカルアセスメント教育の実際―東京都立保健科学大学での取り組み
城生 弘美
1
,
志自岐 康子
1
1東京都立保健科学大学保健科学部看護学科
pp.11-17
発行日 2002年1月25日
Published Date 2002/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903121
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はじめに
本誌増刊号(42巻11号)で,イリノイ州立イリノイ大学シカゴ校看護学部の学生が受けているヘルスアセスメント教育について紹介した.イリノイ大学における教育の大きな特徴は,「看護専門職者を育成するという明確なカリキュラム構成」と「学生の自己学習能力の開発」であった.その中で,ヘルスアセスメントに関する教育は,「看護における薬理学(Nursing Pharmacology)」と「臨床生理学(Clinical Pathophysiology)」とともに,看護の専門科目の土台となる重要な基礎の科目として位置づけられていた.ヘルスアセスメントの授業は,学生の自己学習能力を最大限に活用した方法が取り入れられていた.さらに,その評価は,授業全体のプロセスを通して知識・技術・態度面を総合的に点数化して行うといった,学生のモチベーションを高める効果的な方法がとられていた.
わが国においても,ヘルスアセスメント教育の重要性が認識されてきている.看護職は医療機関のみでなく,保健・福祉施設,および在宅において,自立した一人の専門職として対象者の状態を正確にアセスメントし,適切な看護を提供するという役割を遂行しなければならない.東京都立保健科学大学(以下,本学と略す)では,平成10年度より,身体を系統的にアセスメントする基礎的能力を育成するために,科目「フィジカルアセスメント」の授業を行ってきた.
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