連載 生活空間論 生命のみなもと・5
落差を埋めるために(2)―個室化をめぐって
外山 義
1
1京都大学大学院・居住空間工学講座
pp.342-345
発行日 2001年5月25日
Published Date 2001/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902496
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前回,地域と施設の生活の落差を埋めるための「施設の中での個人的領域形成」について提示した.今回は,この「個人的領域形成」のプロセスにおいて最も基本的な相となる,「身の置き所」の保障について,より端的に表現すれば「居室の個室化」について,わが国の現状に触れながら,できるだけ具体的に論じてみたいと思う.
この場合,「施設」のイメージとして,期間が限定された一時的な入院入所ではない高齢者居住施設として,具体的には特別養護老人ホーム(特養と略す)を想定しているが,以下の検証内容は老人保健施設や入院期間が長期にわたる療養型などの老人病院でも基本的に妥当する点が多い.
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