連載 看護教育・徒然なるまま・2
小林学校
佐藤 紀子
1
1東京女子医科大学看護学部
pp.570
発行日 2000年8月25日
Published Date 2000/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902299
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1か月ほど前,上司であるO教授と話をしたあと,彼女が机に上にあった一冊の本を私に手渡してくれた.守屋研二著『小林冨美栄と看護―その歴史社会学的分析』である.私の勤務する大学は,29年間(助産婦専攻課程は今も存続しており,今年度で短期大学の閉校となる)看護短期大学として多くの卒業生を送り出してきた.私学としては長い歴史をもち,設立は1969年である.最近,さまざまな場で卒業生との出会いがあるが,彼女たちの生き生きと仕事をする姿を見たり,時には進む方向を見きわめられず悩んでいる姿を見るにつけ,何を彼女たちに伝えることができ,彼女たちは何を得て巣立っていったのだろうという感慨に耽っている.
小林先生は東京女子医大短期大学の設立にも尽力されたが,それに先立ち1965年に附属高等看護学校を設立している.以下は守屋氏の研究によるものであるが,この学校は「小林学校」と言われ,第2期生である堀八重子さんは
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